日南Journal

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海とともに生きる。

Uターンした船長が語る、日南という場所の魅力

#インタビュー

海とともに生きる。

県外での暮らしを経て、見えてきた日南

日南市南郷町で遊漁船「海響丸(かいきょうまる)」を運営する森さんは、生まれも育ちも日南市。現在は船長として海に出る日々を送っていますが、約10年前、仕事の都合で一定期間、県外で暮らした経験があります。

「名古屋で倉庫業の仕事に携わり、約2年間を都市部で過ごしました。応援という形での勤務だったので、いずれ日南に戻る前提ではありましたが、外で生活してみたことで、地元を違った目で見るようになりました」と話します。

海の色が教えてくれた、日南の価値

名古屋での生活の中で、森さんが強く感じたのは、海の違いでした。

「向こうでは、そもそも釣りをしたいという気持ちにならなかったですね」。
工場や建物に囲まれた海と、黒潮が直接流れ込む日南の海。その水の色や魚の豊かさは、まったく別物だったといいます。

日南の海は、午前と午後、季節によって表情を変えます。「毎日同じじゃない」という感覚は、この土地で暮らす面白さでもあります。
「ちょっと怖いくらいの色の日もある。でも、だからこそ、本当にきれいな日が分かるんです」。

趣味だった釣りが、仕事になるまで

日南に戻ってからも、森さんは会社員として働きながら釣りを続けていました。

しかし次第に、「もっと深い海で釣りがしたい」という思いが強くなります。

水深100〜300メートルを狙うスロージギング。その釣りに本気で向き合うため、大型の船を購入しました。

地方では、「好きなことを仕事にするのは難しい」と言われがちですが、森さんは会社員を続けながら段階的に形をつくる道を選びました。

その後、釣具メーカーとの出会いがあり、道具の提供や開発協力といった関係が生まれます。フィッシングショーやイベントで多くの来場者を目にし、「釣りには、これだけ多くの人が関わっているんだ」と実感したといいます。

そうした経験を通して、釣りが仕事として成り立つ可能性を、現実的に考えるようになりました。

船長として大切にしていること

子どもたちの成長を一つの区切りに会社を辞め、森さんは遊漁船の船長として独立しました。現在は県内外から、年齢や性別を問わず多くの釣り人が訪れています。

森さんが船長として何よりも大切にしているのは、安全を守ること。そのうえで、どうすれば釣りを楽しめるか、魚に出会えるかを一人ひとりに伝えていくことが、船長の役割だと話します。
釣れる日も釣れない日もある自然相手だからこそ、その時間自体をどう楽しんでもらうかを大切にしています。

釣りを通して伝える、日南の魅力

天候の都合で出航できない日には、一緒に観光へ出かけたり、食事に行ったりすることもあります。

釣った魚を料理してくれる店を紹介したり、魚市場を案内したりと、釣り以外の時間も大切にしています。

「時間もあるし、一緒に行こうか」。そんな自然な距離感で、地元を案内することも少なくありません。「自分で釣った魚を、その日のうちに食べられる体験は、やっぱり特別です」。

こうした時間が、釣り以外の場面でも日南の魅力に触れる機会になればと考えています。

日南の海を、これからも伝えていくために

一度外に出たからこそ分かる、日南の自然の豊かさと、人との距離の近さ。
地元のつながりが今も息づく一方で、港には県内外から釣り人が訪れ、自然と会話が生まれる。そんな日常が、この町にはあります。

「この海、この景色は、ここにしかありません」。

森さんは今日も船を出し、日南の海の魅力と、ここで暮らす人たちの日常を、訪れる人一人ひとりに伝え続けています。

 

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